アジア

フィリピン国歌「最愛の地」(Lupang Hinirang)

2016/04/26

曲名
最愛の地 / Lupang Hinirang / Chosen Land
作詞
ホセ・パルマ / Jose Palma
作曲
ジュリアン・フェリペ / Julian Felipe
採用時期
1898年
Manila Cathedral in HDR
Manila Cathedral in HDR / akosihub

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フィリピン国歌「最愛の地 / Lupang Hinirang / Chosen Land」解説

フィリピン国歌は、1898年にジュリアン・フェリペ(Julian Felipe)によって作曲され、1899年にホセ・パルマ(Jose Palma)という詩人によってスペイン語の詞がつけられました。

国歌が作曲された経緯は、フィリピンのスペインからの独立宣言に備えてエミリオ・アギナルド将軍が、行進曲の作曲をジュリアン・フェリペに依頼したことから始まります。

1898年6月11日、フィリピン独立宣言の前日(フィリピン第一次共和制 / First Philippine Republic)に、その行進曲「Marcha Filipina Magdalo」(後に「Marcha Nacional Filipina」(Philippine National March)へと曲名変更)が国歌として採用。1898年6月12日に独立宣言がなされた時、初めて演奏されています。

1899年8月、若き詩人ホセ・パルマ(Jose Palma)が、「Filipinas」というスペイン語の詩を書き、そのスペイン語の詩がフィリピン国歌の歌詞となりました。 1920年代には、歌いやすくするため、4/4の拍子に変えられ、キーは当初は最初のハ長調からGへと変更されています。

1920年代、フィリピン国家の象徴の利用を禁止する法律が廃止され、アメリカ植民地の政府は、スペイン語から英語へと歌詞を翻訳することに決めました。

最初の英語への翻訳詩は、当時、有名な詩人だったフィリピン大学のパス・マルケス・ベニーテス(Paz Marquez Benitez)によって書かれました。

しかし、最も人気があった英語への翻訳は、カミーロ・オシアス上院議員(Camilo Osías)とアメリカ人のメアリー・A・レーン(Mary A. Lane)によるもので、1938年にフィリピン議会によって正式に採用されました。

1940年代には、タガログ語への翻訳が試みられるようになり、最も人気があった翻訳は、ジュリアン・クルース・バルマセダ(Julian Cruz Balmaceda)とイルデフォンソ・サントス(Ildefonso Santos)とフランシスコ・コバロ(Francisco Caballo)による「O Sintang Lupa」(O Beloved Land)でした。

そして、1948年に「O Sintang Lupa」が国歌として承認されました。

マグサイサイ大統領時代の1956年5月26日、グレゴリオ・ヘルナンデス教育長官(Gregorio Hernandez)はタガログ語の歌詞を修正する権限を作り、フィリピン国歌「Lupang Hinirang」は、ピリピーノ語で歌われるようになりました。

1960年代には、フェリペ・パディーリャ・デ・レオン(Felipe Padilla De Leon)によってマイナーな改訂がなされ、その改訂版が今日に至っています。

1998年の新国家象徴法(a new national symbols law)によって、スペイン語でもなく英語でもない、フィリピン語による歌詞が確認されています。

スペイン語→英語→ピリピーノ語→フィリピン語という歌詞の変遷に、フィリピンの歴史が浮き彫りにされています。

ところで、フィリピン国歌「Lupang Hinirang」(フィリピン語)は、英語では「Beloved Land」と訳され、日本語でも「最愛の地」と訳されることがあります。

しかし、これは勘違いによる誤訳と言われています。フィリピン語の「Lupang Hinirang」を英語に訳せば「Chosen Land」であり、日本語に訳せば「選ばれた地」です。

ところが、もともとスペイン語で書かれた詩「Filipinas」の最初の一行「Tierra adorada」が、 「愛された土地」という意味であったため、「Beloved Land」つまり「最愛の地」と訳されてきた経緯があります。

ただし、フィリピンでもフィリピン語歌詞の最初の一行目が「Bayang Magiliw」(愛された土地)とあることから、フィリピン国歌「Lupang Hinirang」は、便宜的に「Bayang Magiliw」と呼ばれることもあります。

Metro Manila
Metro Manila / ewen and donabel
Manila market
Manila market / joshuatintner
Quinta Market- chicken section
Quinta Market- chicken section / oldandsolo
Coral Reef, Cebu, Philippines
Coral Reef, Cebu, Philippines / Patrick Tumalad

フィリピン国歌「最愛の地 / Lupang Hinirang / Chosen Land」の歌詞

フィリピン語Lupang Hinirang

英語訳:Chosen Land

日本語訳( 大意):最愛の地

Bayang magiliw
Perlas ng Silanganan,
Alab ng puso,
Sa dibdib mo'y buhay.

Lupang Hinirang,
Duyan ka ng magiting,
Sa manlulupig,
Di ka pasisiil.

Sa dagat at bundok,
Sa simoy at sa langit mong bughaw,
May dilag ang tula
At awit sa paglayang minamahal.

Ang kislap ng watawat mo'y
Tagumpay na nagniningning,
Ang bituin at araw niya
Kailan pa ma'y di magdidilim.

Lupa ng araw, ng luwalhati't pagsinta,
Buhay ay langit sa piling mo;
Aming ligaya, na pag may mang-aapi
Ang mamatay nang dahil sa iyo.

Land of the morning,
Child of the sun returning,
With fervor burning,
Thee do our souls adore.

Land dear and holy,
Cradle of noble heroes,
Ne'er shall invaders,
Trample thy sacred shore.

Even within thy skies and through thy clouds,
And o'er thy hills and sea.
Do we behold the radiance,
Feel the throb of glorious liberty.

Thy banner, dear to all our hearts,
Its sun and stars alight.
O, never shall its shining field,
Be dimmed by tyrant's might!

Beautiful land of love, O land of light,
In thine embrace 'tis rapture to lie.
But it is glory ever, when thou art wronged,
For us, thy sons, to suffer and die.

朝の国 炎のように燃える太陽の子
我々の魂よ、気高く神聖な国
誉れ高い英雄たちの生まれた国を崇めよ
この神聖な国の浜辺を侵入者どもが、踏みにじることはできない
空の中に雲を通して 丘や海の向こうに
栄光のある自由の歴然とした輝きを見て 胸の鼓動を感じる
我々の全ての心を打つその旗印に 太陽は輝き 星はまたたく
おお、その輝かしい国土は 暴君によって曇らせてはいけない
美しい愛の国土よ それに抱かれる時の喜びがある
しかし 国土が侵されるなら、我々は死守することを栄誉とする

Youtubeでフィリピンの国歌『最愛の地』(Lupang Hinirang)の視聴

GMA:合唱バージョンです。

合唱バージョンです。

子供たちの可愛らしい合唱バージョン。

フィリピンの概要

正式国名
フィリピン共和国 / Republika ng Pilipinas (レプブリカ ナン ピリピーナス) / Republic of the Philippines
独立
アメリカ合衆国から1946年7月4日に独立
首都
マニラ
面積
299,404km2
人口
1億377万5002人(12位 / 2013年総計)
政治体制
共和制
言語
国語はフィリピン語 (Filipino)、公用語はフィリピン語と英語。日常的に母語として使われる言語は172にも及ぶそうです。
民族構成
マレー系を主とする多民族国家
宗教
キリスト教徒はフィリピンの全人口の90%以上を占めています。2000年のセンサスでは、カトリックが82.9%(ローマ・カトリック教会が80.9%、アグリパヤンが2%)、エヴァンジェリカルが2.8%、イグレシア・ニ・クリストが2.3%、その他のキリスト教が4.5%。さらにイスラームが5%、その他が1.8%、不明が0.6%、無宗教が0.1%。
通貨
フィリピン・ペソ(PHP)

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