マレーシアの国歌「我が国」(Negaraku / ヌガラク)

曲名
我が国 / Negaraku / ヌガラク / My Country
作詞
Saiful Bahri
作曲
Pierre-Jean de Béranger
(1780-1857)
採用時期
1957年
Petronas Towers - Kuala Lumpur
Petronas Towers – Kuala Lumpur / IQRemix

マレーシアの国歌「我が国」(Negaraku / ヌガラク)の解説

1957年にマラヤ連邦としてイギリスから独立した当時、マラヤ連邦を構成する11の州は、それぞれの祝歌を持っていました。

当時の自治大臣だったアブドゥル・ラーマン(Tunku Abdul Rahman)は、国歌選定委員会を組織してコンペを行いました。世界中から合計514ものエントリーがありましたが、どの曲も国歌として適当であると見なされませんでした。

そこで、委員会は国際的に評価の高い作曲家に依頼することにしました。選ばれたのは、ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten)、エリザベス2世女王の即位式のマーチを作曲したウィリアム・ウォルトン卿(Sir William Walton)、アメリカのオペラ作曲家ジャン・カルロ・メノッティ(Gian Carlo Menotti)、そして、後にシンガポールの国歌を作曲しズビル・サイード(Zubir Said)という面々でした。

しかし、彼らの曲も採用されませんでした。次に委員会は、伝統的なマレーのメロディを持っているペラ州の祝歌に注目しました。1957年8月5日に国歌として選ばれ、新たな歌詞がアブドゥル・ラーマンを始めとする委員会によって書かれました。

ペラ州の祝歌「Allah Lanjutkan Usia Sultan」は、ペラ州のスルタンが亡命生活を送っていたセイシェル島で非常にポピュラーな曲だったと言われています

ペラ州のスルタンがヨーロッパに旅行した時、とあるレセプションに招待されました。そこで、州の祝歌について尋ねられたスルタンは、セイシェル島で非常にポピュラーだった曲を口ずさみました。こうしてペラ州の祝歌が生まれた、という面白いエピソードがあります。

この歌は、インドネシアやシンガポールでも、またたく間に人気を集めるようになり、当時は、「Terang Bulan」と呼ばれるようになりました。

ちなみに、時代は下って2003年7月。マレーシア国歌のタイトルは、『Negaraku』から『Malaysiaku』へと変更されました。しかし、不人気だったため、元の『Negaraku』へと戻されています。

マレーシアの国歌「Negaraku」(ヌガラク/我が国)の歌詞

マレー語表記:Negaraku

Negaraku, tanah tumpahnya darahku,
Rakyat hidup, bersatu dan maju,
Rahmat bahagia, Tuhan kurniakan,
Raja kita selamat bertakhta.

※国歌を斉唱する時は、後半の二行を繰り返します。

英語訳:My Country

my country, land where my blood was spilt,>
The people live united and in progress,
Blessings of happiness, may God grant,
(And that) our King may reign in peace.
Blessings of happiness, may God grant,
(And that) our King may reign in peace.

日本語訳:我が国

我が祖国 我が血が注がれた土地よ
民が暮らす 団結と繁栄のもとに
祝福された幸福は 神より賜われし
我らが王のもと 平和な治世を
祝福された幸福は 神より賜われし
我らが王のもと 平和な治世を


2004_0904_162102AA / Marufish

Redang Island, Malaysia
Redang Island, Malaysia / projectnada

マレーシアの国歌『Negaraku』(ヌガラク/我が国)の視聴(動画ファイル)

合唱バージョンです。

初期の演奏バージョン。

マレーシアン・ラッパーによるラップ・バージョンです。

マレーシアの概要

正式国名
マレーシア(Malaysia)
首都
クアラ・ルンプール(Kuala Lumpur)
面積
329,847km2(66位)
人口
2933万人(2012年)
政治体制
立憲君主制。国家元首の国王は13州の内9州にいるスルタン(首長)による互選で選出され、任期は5年。行政府の長は首相で、
民族構成
マレー系が約65%、華人系が約24%、インド系(印僑)が約8%。
言語
公用語はマレー語。1967年まで公用語だった英語は、準公用語として広く使用され、マレー語とともに各民族間の共通語の役割を担っています。また、華人は広東語、福建語(閩南語)、潮州語、客家語、潮州語などの地方語が母語になっている他、中国語の学校教育は北京語に近い普通話で行われています。インド系住民は多くがタミル語を母語としています。そのため、世界でも有数のマルチリンガルな国となっています。
宗教
国教はイスラム教。中国系は仏教、インド系はヒンドゥー教徒が多く、イギリス植民地時代の影響からキリスト教徒もいます。
通貨
マレーシア・リンギット(RM)
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