フィンランド国歌「我等の地(我が祖国)」(Maamme)

フィンランドの国旗
曲名
我等の地(我が祖国) / フィンランド語: Maamme / スウェーデン語: Vårt land / 英語:Our Land
作詞
ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ / Johan Ludvig Runeberg
作曲
フレドリク・パーシウス / Fredrik Pacius / Friedrich Pacius
採用時期
1867年

フィンランド国歌「我等の地(我が祖国)」の解説

フィンランドの国歌「Maamme」は、ドイツ人移民のフレドリク・パーシウス (Fredrik Pacius / Friedrich Pacius)が1848年に作曲したものです。

作詞はユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ (Johan Ludvig Runeberg)で、1846年にスウェーデン語で書かれています。

1867年にJulius Krohnによってフィンランド語に訳されていますが、現在、使われているフィンランド語の訳詩は、1889年にパーヴォ・カヤンデル (Paavo Cajander)がフィンランド語に訳したバージョンです。

ちなみにメロディは、エストニア国歌「Mu isamaa, mu õnn ja rõõm 」と同じです。このように曲(メロディ)が同じ国歌は、世界を見渡すと幾つかあります。

ところで、フィンランドには国歌に関する明確な法律がありません。しかしながら、慣例として「我等の地 / Maamme」が、国歌としての確固たる地位を占めています。

また、フィンランドでは慣例として第二の国歌があります。フィンランドの国民的英雄である作曲家、ジャン・シベリウスによって作曲された交響詩「フィンランディア / Finlandia」です。シベリウスの作品の中でもっとも知名度が高い作品です。

この「フィンランディア / Finlandia」の一部のパートに、1941年に詩人のヴェイッコ・アンテロ・コスケンニエミ / Veikko Antero Koskenniemiが歌詞を付け、シベリウス本人が合唱用に編曲したものです。

美しい旋律を中心に展開する曲で、後に「フィンランディア賛歌 / Finlandia-hymni」と名づけられており、フィンランドでは国歌に次ぐ第二の愛国歌として広く歌われています。

ちなみに、この曲はフィンランド出身のレニー・ハーリン監督による映画「ダイ・ハード2」のエンディングにも使われています。

Finland_1230 - Tuomiokirkko
Finland_1230 – Tuomiokirkko / archer10 (Dennis) REPOSTING

Anochecer en Helsinki
Anochecer en Helsinki / Baturix

Ii-river, Northern Finland
Ii-river, Northern Finland / ninara

フィンランド国歌「我等の地(我が祖国)」の歌詞

フィンランド語:Maamme / スウェーデン語:Vårt land(Johan Ludvig Runebergによるオリジナルの歌詞)

フィンランド語:Maamme スウェーデン語:Vårt land

1.
Oi maamme, Suomi, synnyinmaa!
Soi sana kultainen!
Ei laaksoa, ei kukkulaa,
ei vettä rantaa rakkaampaa
kuin kotimaa tää pohjoinen.
Maa kallis isien.

2.
Sun kukoistukses kuorestaan
kerrankin puhkeaa;
viel’ lempemme saa nousemaan
sun toivos, riemus loistossaan,
ja kerran laulus, synnyinmaa
korkeemman kaiun saa.

1.
Vårt land, vårt land, vårt fosterland,
ljud högt, o dyra ord!
Ej lyfts en höjd mot himlens rand,
ej sänks en dal, ej sköljs en strand,
mer älskad än vår bygd i nord,
än våra fäders jord!

2.
Din blomning , sluten än i knopp,
Skall mogna ur sitt tvång;
Se, ur vår kärlek skall gå opp
Ditt ljus, din glans, din fröjd, ditt hopp.
Och högre klinga skall en gång
Vår fosterländska sång.

英語訳:Our land / 日本語訳:我等の地

英語訳:Our Land 日本語訳:我等の地

1.
Oh our land, Finland, birthland,
echo loudly, golden word!
No valley, no hill,
no water, shore more dear
than this northern homeland,
this precious land of our fathers.

2.
One day from your bud
you will bloom;
From our love shall rise
your hope, glorious joy,
and once in song, birthland
higher still will ring.

1.
我が祖国 母なる大地よその名を高らかに叫ばん
我等が北の故郷の山々ほど
天に届く山々はなく
愛すべき谷間や浜辺はない
我等が祖先の地よ

2.
つぼみの中の汝の花
静かに成熟していく
見よ!また一つ我らの愛が実を結ぶ
汝の光 喜び 希望 そして繁栄
いつか鮮やかな輪となって
我らが高らかに歌い上げよう

フィンランド国歌「我等の地(我が祖国)」の視聴(動画ファイル)

美しいアカペラバージョンです。

フィンランド キテー出身の人気女性歌手、ターヤ・トゥルネンTarja Turunen )がリードを取って歌うバージョンです。

演奏バージョンです。

フィンランドの概要

正式国名
フィンランド共和国 / フィンランド語: Suomen tasavalta / スウェーデン語: Republiken Finland / 英語表記: Republic of Finland
首都
ヘルシンキ
面積
33万8431km2
人口
554万1000人(2020年総計)
政治体制
国家元首である大統領は国民の直接選挙によって選ばれ、任期は6年。
1990年以降、議院内閣制への移行を目的とした憲法改正が数度行われ、行政権の比重は大統領から首相(内閣)に移行。
議会は一院制でエドゥスクンタ(Eduskunta)と呼ばれています。
民族構成
フィン人が93%、スウェーデン人(スウェーデン系フィンランド人)が6%、サーミ人が0.1%、ロマ人が0.1%。
フィンランド語が93.4%、スウェーデン語が5.9%で、この2言語が公用語。先住民族のサーミ人が話すサーミ語は、1999年の憲法改正により準公用語となっています。
宗教
福音ルーテル教会が89%、正教会(フィンランド正教会)が1%、無宗教9%。福音ルーテル派は国教。
通貨
ユーロ (€)(EUR)
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