英国の国歌「神よ国王陛下を守り給え」(国王陛下万歳)

英国(イギリス)の国旗
曲名
神よ国王陛下を守り給え(国王陛下万歳) / God Save the King
作詞
不明
作曲
不明

イギリスの国歌「神よ国王陛下を守り給え」の解説

「God Save the King」は、法律では制定されていないものの、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)およびイギリス海外領土の事実上の国歌として広く認知されています。

また、イギリス連邦諸国のニュージーランドでも「神よニュージーランドを守り給え」と共に国歌の一つとなっています(1977年~)。

その他、オーストラリア(1984年~)およびカナダ(1980年~)、ジャマイカ、ツバル、マン島では王室歌 (Royal Anthem) として公式に採用されています。

イギリス連邦ではないものの、リヒテンシュタインでは同じ旋律を流用して独自の歌詞を乗せて国歌としています。

なお、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)を構成するウェールズや北アイルランド、スコットランドには、独自の国歌があります。イングランドでは、公式に定められた国歌はありませんが、多くのスポーツ大会ではイギリスの国歌「神よ国王陛下を守り給え」(国王陛下万歳)が使われています。

作詞者、作曲者は不明で、1740年にヘンリー・キャリー (Henry Carey) が作曲したという説や、あるいは16世紀の聖書の詩句、賛美歌に起源があるとする説などがありますが、明確な起源は判明していません。

編曲者はトマス・アーンと言われています。1745年9月28日、ドルリー・レーン王立劇場 (Theatre Royal, Drury Lane) においてベン・ジョンソンの歌劇『錬金術師』 (The Alchemist) 終演後に公式に演奏され、以後ロンドン各地の劇場で演奏されるようになって爆発的に広まった経緯があります。

歌われる際は、通常、第1節ですが、曲が短いために第3節も歌われることがあります。

※君主が国王(King)か、女王(Queen)かによって、「King」と「Queen」、「him / his」「her」が切り替わります。メロディーは特に変わりません。2022年9月8日、エリザベス女王がお亡くなりになり、長男のチャールズ皇太子が国王に即位したことを受けて、「ゴッド・セーブ・ザ・クィーン(God Save the Queen」は、「ゴッド・セーブ・ザ・キング(God Save the King)」になります。歌詞にある「女王」も、「国王」に変わります。

Buckingham Palace
Buckingham Palace / shining.darkness

London
London / hans-jürgen2013

London England
London England / az1172

London Eye
London Eye / martie1swart

SN60BZA E129 go-ahead london
SN60BZA E129 go-ahead london / martin 65

イギリスの国歌「神よ国王陛下を守り給え」(国王陛下万歳)の歌詞

英語:God Save the Queen (King)

日本語訳:神よ国王陛下を守り給え

1.
God save our gracious King,
Long live our noble King,
God save the King:
Send her victorious,
Happy and glorious,
Long to reign over us,
God save the King.

2.
O Lord, our God, arise,
Scatter her enemies,
And make them fall.
Confound their politics,
Frustrate their knavish tricks,
On Thee our hopes we fix,
God save us all.

3.
Thy choicest gifts in store,
On her be pleased to pour;
Long may she reign:
May she defend our laws,
And ever give us cause
To sing with heart and voice
God save the King.

4.
Not in this land alone,
But be God’s mercies known,
From shore to shore!
Lord make the nations see,
That men should brothers be,
And form one family,
The wide world over.

5.
From every latent foe,
From the assasins blow,
God save the King!
O’er her thine arm extend,
For Britain’s sake defend,
Our mother, princess, and friend,
God save the King!

6.
Lord grant that Marshal Wade
May by thy mighty aid
Victory bring.
May he sedition hush,
And like a torrent rush,
Rebellious Scots to crush.
God save the King!

1.
おお神よ我らが慈悲深き国王(女王)を守りたまへ
我らが気高き国王(女王)よとこしへにあれ、
神よ国王(女王)を守りたまへ:
君に勝利を
幸福を栄光をたまはせ
御世の長からむことを:
神よ国王(女王)を守りたまへ

2.
おお主よ、神よ、立ち上がられよ
汝と君の敵を消散せしめたまへ
打ち砕きたまへ
彼らが策を惑はしたまへ
彼らが騙し手を挫きたまへ
我らが望みは汝の上に!
神よ我等を救いたまへ

3.
汝が選り抜ける進物の
君に喜びと注がれむことを;
御世の長からむことを:
我らが法を守りたまひ
絶えず理想を与へたまへ
声無きも声高きも謳ひぬ(歌ふ心で歌ふ声で)
神よ国王(女王)を守りたまへ

4.
神の御慈悲は
この御土のみでなく
そのくまなきに知らるる!
主はこの御国に、この広き世界の
全て人間は一つ兄弟たり、
一つ家族たることを知らしめす

5.
闇に潜みし敵より
暗殺者の魔の手より
神よ女王(国王)を守りたまへ
君が上に汝が腕を広げ
ブリテンが為に防がむ
我らが父(母)にして君にして友
神よ国王(女王)を守りたまへ

6.
主はウェイド元帥をして
その強き祐けにより
勝利をもたらしめむ
乱を制しめむ
轟々たる濁流の如くして
反逆せしスコットランド人を破らしめむ
神よ国王(女王)を守りたまへ

イギリスの国歌「神よ国王陛下を守り給え」(国王陛下万歳)の視聴(動画ファイル)

演奏バージョンです。

合唱バージョンです。

セックス・ピストルズ(Sex Pistols)によるパンク・バージョンです。

イギリス(英国)の概要

正式国名
イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) / United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (United Kingdom, UK)
首都
ロンドン
面積
244,820km2(76位)
人口
63,181,775人(22位 / 2011年総計)
政治体制
イギリスの君主を国家元首とする立憲君主制。不文憲法の国家、一つに成典化された憲法典はなく、制定法(議会制定法だけでなく「大憲章(マグナ・カルタ)」のような国王と貴族の契約も含む)や判例法、歴史的文書及び慣習法(憲法的習律と呼ばれる)などイギリスの憲法を構成。イギリスの議会は、上院(貴族院)と下院(庶民院)の二院制。
民族構成
ゲルマン民族系のイングランド人(アングロ・サクソン人)、ケルト系のスコットランド人、アイルランド人、ウェールズ人、旧植民地出身のインド系(印僑)、アフリカ系、アラブ系や華僑なども多く住む多民族国家です。
言語
事実上の公用語はイギリス英語。その他、イングランドの主にコーンウォールではコーンウォール語、ウェールズの主に北部と中部ではウェールズ語、スコットランドの主にローランド地方ではスコットランド語、ヘブリディーズ諸島の一部ではスコットランド・ゲール語、北アイルランドの一部でアルスター・スコットランド語とアイルランド語が話されており、それぞれの構成国で公用語になっています。
宗教
キリスト教徒74.7%、イスラム教徒2.3%、ヒンドゥー教徒が1.1%(2011年センサス)。キリスト教の内訳は、英国国教会が62%、カトリックが13%、長老派が6%、メソジストが約3%程度と推定されています。
通貨
UKポンド (£)(GBP)
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